左対左と右対右


 野球で左ピッチャー対左バッターの対戦は、ピッチャーが圧倒的に有利だと言われ、実際に数字の上でもそれが表れています。なぜか左対左に限りそうであって、右対右というのは、それほどでもありません。もちろん、右バッターからすると左ピッチャーの投げる球の方が見え易いので、右ピッチャーに対する方が意識の上でも数字の上でもやや苦手という事にはなりますが、左対左ほど極端ではありません。

 いったいなぜ”左対左”だけがそうなのでしょうか? 右対右だって、条件的には左対左と同じはずなのに、なぜ左対左だけがそうなのかと疑問に思われる方が多いのではないかと思います。ところが奇妙な事に、これがなぜかという説明を、どんな野球関係者の口からも聞いた事がありません。常識中の常識だから言わないのか、あるいは理由が分からないから言わないのか・・・たぶん後者でしょうね。現象的には常識中の常識ですが、その理由となると何だかよくわからない、一種のオカルト現象みたいなところがあるのです。そんなわけで誰も説明してくれないので、仕方なく自分で考えてみました。(笑) とはいえ、なぜ左バッターが左ピッチャーに対して不利なのかというところまでは分からないので、あくまで”左対左”と”右対右”の条件の違いという事についてです。分かる方は教えて下さいね。(^_^;)

 ”左対左”と”右対右”はどこが違うのか。まず、第一にピッチャーが違います(←当たり前・笑)。左ピッチャーというのは、右ピッチャーの利き腕を左にしただけとは違うという事が考えられます。右利きと左利きというのは、身体の動きそのものが違っていて、たぶんご覧になると分かると思うのですが、左ピッチャーのフォームと右ピッチャーのフォームというのは明らかに違います。もちろんフォームなんて一人一人違うものですが、大きく分類すると右ピッチャーのフォームと左ピッチャーのフォームというのは線引きできるのではないかと思います。支配的な脳が右脳か左脳かという違いからなのか(どうか知りませんが^^;)、右ピッチャーのような投げ方の左ピッチャーとか、左ピッチャーのような投げ方の右ピッチャーというのはほとんどいません。投げ方が違うという事は、球の出方や球道も違うという事で、これが左対左と右対右の違いを生み出しているものと思われます。

 もう一つはバッターの違いです。もっと言うなら打ち方の違いです。ピッチャーと同様、右利きと左利きの違いというのも多少はあるかもしれませんが、どうもそれはピッチャーほど大きくはなさそうです。というのも、ケージの中で打っているのを見たりすると、左と右で分類できるような打ち方の違いらしきものは、僕の見たところ見当たりません。ところが、試合(あるいは練習のシートバッティング)になると、とたんに右バッターと左バッターの打ち方に違いが現れてきます。これはなぜか。思うに野球が左回りにできているからではないでしょうか。バッターというのは打ち終わったら一塁に向かって走ります。(笑) あくまで”打ち終わったら”なのですが、人間の身体ってそんなにうまくはできてないもので、打っている最中にも、その予備運動とでもいいましょうか、「この後一塁に向かって走る」というのが出てしまいます。一塁というのは、右バッターにとっては正面、左バッターにとっては背中越しの方向ですから、当然その動きは違います。

 一番分かり易いのは、いわゆる”流し打ち”の仕方です。右バッターがライト方向へ打つ時、多少身体は開いていても、バットでボールをはらうような打ち方はしないものです。はらってしまったら、身体が完全に三塁方向に流れてしまい、すぐに一塁に走れなくなってしまうからです。そんな事を一々考えているわけではありませんが、一塁へ向かって走るという意識が、そういう身体の動きを生んでいるとも言えるでしょう。従って右バッターの流し打ちというのは、いわゆる”おっつける”感じ、ボールにバットをぶつける感じの打ち方がほとんどです。それに対して左バッターの場合には、ボールをバットではらう、あるいはカットするような打ち方がほとんどです。その方が打ち終わった後、一塁方向に身体が流れるので都合がよろしいというわけで、無意識のうちにこういう打ち方になっているものと思われます(ケージの中ではそんな打ち方してません)。左バッターのレフト・ライン際の打球が左方向にキレるというのはこのためです。そういう違いもまた、右対右と左対左の違いを生み出しているものと思われます。特に左バッターのこの打ち方で、左ピッチャーの外へ流れるボールを打つのは難しいと思われます。

 とまあ、”左対左”と”右対右”が同じ条件ではないという事を、簡単に考察してみましたが、違うご意見、もっと踏み込んだ考察などございましたら、是非お聞かせ下さいませ。

※「セットポジション」というサイトに「左打者は左投手が苦手だろうか」というページがあり、運営者ご自身が記録した高校野球のデータをもとにこの問題を検証しています。興味深いデータと考察が示されていますので、是非ご覧になってみて下さい。

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